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魂堕としの快速通勤列車 肆


 あまりに、数歩が長すぎる。ピンク色のトイレにたどり着くまでが永遠のよう。

 最近は、ずっと恐ろしいばかりだった。
 いつ痴漢に遭遇するんだろう、最近の私はどうしてしまったんだろう。そんなことばかり考えていた。

 いまは桃色のモヤモヤで気持ちがいっぱいだった。
 一歩、スカートの中に吹き込んでくる風でぞくぞくする。
 もう一歩、足の付け根からは何の感触も感じない。まるでつい昨日まで股間に何かがあったみたいな気がしているのに。

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魂堕としの快速通勤列車 参


「…………?」

 その異変に気づいたのは、家に戻ってシャワーを浴びようと脱衣場に入って服を脱ごうとしたときだった。
 不意に、鏡を見て違和感を覚える。
 
 鏡に映っているのは、何の変哲もない、いつもの自分だ。
 けれどなんだか変だ。

「…………」

 見慣れた自分の顔が、自分じゃないみたいで。
 見慣れた自分の身体が、自分の身体じゃないみたいで。特に胸が膨らんでいるのが不自然すぎて、俯いて確かめる。
 そこには確かに二つの膨らみがあり、首と服の隙間からはブラジャーと胸によって作られた三角の谷間がしっかりと伺える。

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魂堕としの快速通勤列車 弐


「……ただいま」

 返事は期待していない。さっさと階段を上り、何か言われる前に自分の部屋に閉じこもった。
 ひどい気分だ。
 学校に行っても先生の言葉は何一つ耳に入ってこなかったし、友達にこんなこと言えっこない。一応、最後まで授業を受けてはきたけれど、正直行く意味はなかったんじゃないかなと本気で思っている。
 現に、今でも感情――心のモヤモヤが、胸の中に残り続けていた。
 友達は本気で心配してくれたけど、やっぱり顔に出ていたみたいで、どうしても辛い。ベッドに身体を預けてぎゅうと顔を伏せた。


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魂堕としの快速通勤列車 序


 小刻みに、誰もが身体を小さく揺らす。
 大勢に使われるせいで濁った吊革、指紋だらけの鉄棒、すっかり薄汚れた床板。ビルを通り過ぎる車窓を背景に、眠っているか、あるいは携帯の画面を眼鏡に反射させているサラリーマン、鏡で自らの姿を確認するOL。
 狭い車内は鮨詰めで、誰もが身体を否応なく押し合わせている。列車が曲線を通り過ぎようものなら、その影響は大きく、人の波は片側に傾けられたように遠心力に従ってしまう。
 手のひらでしっかりと手放さないように、両手に力を込めてぎゅっと握り締める。
 誰かにぶつかってしまわないように、開閉扉のガラス窓に向いてじっと外の風景を見つめていた。

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spiritinserter

Author:spiritinserter
裏でこっそりと執筆している憑依系R18小説の個人的保管庫
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