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2017-05

聖夜の宴に2016

メリー・クリスマス!
町中が煌びやかな光で包まれる、午後七時。
 七色に飾り付けられたモミの木が無数のLEDを点灯させ、ふと横を見ればサンタクロースとトナカイがソリを引いている絵がそこら中に見受けられる。
 仕事を終えた社会人で居酒屋は賑わい、お洒落な雰囲気のデートスポットでカップルは仲を深め合う。家族連れが街で美味しいものに舌鼓を打つ。そんな今日は、クリスマス・イブである。

 しかし、そんな煌びやかな世界を少し離れた閑静な住宅街のマンションの一室は、華やかさとは無縁だった。
 すでに古びて、ちらちらと明滅を繰り返す蛍光灯。その下でぼんやりとした光を発するパソコンの画面に釘付けになる俺がいた。

「……くそっ、くそっ!」

 悔しい。どうして、世間はクリスマス・イブというだけで浮かれているんだ。
 そもそもキリストの聖誕祭に男女がイチャイチャするのはおかしい。絶対におかしい。こんなイベントぶち壊してやりたい。
 
 ……と、そんなことを考えて延々とイラついていた。
 窓から差し込んでくる色とりどりの光や、遠くから聞こえるクリスマス・ソングと普段は聞こえない人の声にすら我慢できなくなっていたのだ。
 キーボードを叩く手をとめ、どすんと、マウスから手を離して椅子の背に体重を預けた。

「はぁ……なんで、俺には何もねーんだろうな」

 一通り怒りが通り過ぎると、ひどくむなしくなってきた。
 ぼうっと天井を見上げてからPC上に視線を戻して、ネットサーフィンを続けることにした。少しは気がまぎれるだろう。しかし、ぼうっとしていて、ふと右片隅の広告を誤ってクリックしてしまう。
 うおっ、やべ。変なところに飛んだぞ。
 慌てて×ボタンにマウスカーソルを合わせようとするが、その前に、広告表示のほうがずっと早かった。

「はぁ、なんだこれ……クリスマスをぶっこわせ?」

 そんなタイトルで銘打たれた記事に思わず笑ってしまった。
 こういう広告も、しっかり時期は合わせるんだな。何の広告なんだ? 気になって読み進めてみるが、いまいち分からない。
 何かの商品の紹介につながるわけでもなく、延々とクリスマスを潰したい理由だとか、むしろ面白記事のようなことばかり書いてある。
 最近の広告は手が込んでいるな、と思いながらついつい笑いながら最後まで読み進めてしまうと、一番最後になって。

「……『あなたは、クリスマスを女の子とすごしたいですか?』だって?」

 ……いいえ、を押したくなったが。つい「はい」をクリックしてしまった。
 自分にうそはつけないな。
 そして新しいポップアップウィンドウが表示されたとき、しまった、と思った。これやっぱ何かの広告だったんだ。

「は? なんだ、このサイト」

 そこに提示されたのは、五つの選択肢と顔写真だった。
 どれも美人といえるような十代から二十代の女性で、その写真の下に年齢、簡単なプロフィール、現在付き合っているか否かなどの、簡単なプロフィールが掲載されている。
 まるで風俗だな、と思いながらもっと下にいってみると、『あなたへの特別なクリスマスプレゼント! この中の一人を楽しめます!』……あほらし。

「やっぱ、広告か」

 などとあきれながら、ワンクリック詐欺かなとサイトの隅々までを読み進めてみる。
 ……うーん。
 会社名も、名前も何一つ情報がない。
 書いてあるのは女の子の情報と、選択してOKを押すところだけ。まるで素人が作ったサイトのように、非常にシンプルなものだ。

「ま、お遊びサイトかな」

 詐欺じゃなきゃいいや、と適当に女の子の絵を眺めなおしてみる。
 一番の子は十代前半くらいの子で、二番と三番の子は女子高生。清楚っぽい子と、遊んでそうな感じの子。四番はスーツを着ているので社会人だろうか。五番は熟女なので俺の専門外。なるほど、好みに合うやつが含まれるように誰かが選んだのだろう。 
 なんとなく、ピンときた三番の子を選んでみた。
 軽そうににひひっ、と悪戯な笑みを浮かべている口元を手で隠しているのがドキッときた。あとで、こういう感じのAVか薄い本でも探すか。

 さあて、なかなか楽しませてくれたお礼だ。
 三番にチェックを入れてOKボタンをクリックする。詐欺でも、まあ何とかなるだろう。どうせ請求されないし。
 
 ぐにゃぁと、身体から力が抜けた。
 突然意識が離れて身体が前のめりになるのを感じた。しかし、それに驚く暇もなく、身体が宙に浮いていた。

『は? な、なんだここっ』

 周囲が、青色のトンネルになっている。トンネルの壁にある直線を無数の光子が併走、あるいは逆方向に通り過ぎていく。
 部屋は? 俺の部屋は、パソコンはっ!?
 その中心に浮かびながら、何かに引っ張られているようになりながら、驚いた。
 まるで電脳世界のような場所で、ふわふわと浮かんでいる。これは夢か。どうなってるんだ。

 そのまま、数十秒ほど浮かんでいたところで、トンネルをぐいっと曲がった。
 右へ。次は左、右。思わず吐きそうになるが、さらに数秒して、身体が逆方向に引っ張られるように荒っぽく停止した。
 
『ここは……どうなってんだ? って、この画面は……』

 四角い幾何学的な物体が浮かぶ世界に、突然ぽつんと放り出されて、ぽかん。
 いったいここはどこなんだ、と前を見ると宙にスクリーンが浮かんでいる。あの、さっき選んだ三番のJkだ。
 こっちを見ている……というよりは、スクリーンの少し下を眺めているようだ。髪が歩いているみたいに揺れている。どういうことだろう、とスクリーンに手を触れた。

『のわっ!』

 ずるり、と身体が"外"に飛び出した。わけもわからないまま。
 なんだっ!?
 ものすごい速度で、突然現実に戻された。まるで小人のような大きさになっていて、ピストルの弾になったみたいに、三番の子の脳天に打ち出されて、

『っ、ぶつかるっ!!?』

 周囲の景色を眺める余裕もなく、まったく視線を逸らさず下を向いているJKの脳天に、俺は直撃した。

「あうっ!」

 近くて、遠い場所から、軽い悲鳴が聞こえた気がした。
 俺はまるで電気が走ったような小さな痛みに、思わず痛む場所に手を当てた。

「いててぇ……なんなんだよぉ……」

 目頭から涙が出てきてるのを感じながら、なんだか声が高いなと思った。
 喉の調子でも悪くしたか。
 喉に手を当てて、肌が柔らかい。こんなに滑らかだっけ。

「あーあー……えっ。えええっ!?」

 やっぱり声は高く、目を開けてよく見たら、いつの間にか外に出ていた。
 いや、違う。違うっ!
 なんだこれ、身体が違う。指が細い。太もものあたりがスースーして、なんだか頼りない。スカートだ、これっ!
 一通り確認して、理解できないままふと顔を上げて、やばいと顔を青ざめさせた。
 周りの人が不審そうにこちらを見てる。
 
「あ、あははー……」

 高い声はまるで女性のようで、それを使って苦笑いしながら、そそくさとその場を離れることにした。
 視線が突き刺さるのを感じつつ、なるべく目立たないように現状確認だ。
 ど、どうなってるんだこれ。
 手を見つめる。握っている携帯電話、可愛らしいデコレーション。お洒落な、ファッション雑誌に載っていそうな服装。ちょっぴり厚着。
 背中に手を伸ばしてみると、ふぁさっ、とても長い髪。きっと伸ばしたのだ、この身体の人が。

「まさか……他人の身体になってるよ、おれ」 
 
 携帯電話を見てみると、まだ午後七時半前。ちょうど、さっきまであのホームページを見ていたくらいか。
 ホームページ?
 そういえば……と、明かりのついていない床屋のガラス戸を見つめる。反射して見えるのは、ぽかんと間抜けな顔で見つめ返すのは、あの三番のJKに間違いなかった。

「に、にこっ」

 手で口元を隠し、無理やり笑顔を作って笑ってみた。
 あ、似てる。ちょっと微妙に、いや、けっこう違う印象だけど、あの子の写真そのものだ。
 ま、マジか……って、どうするんだよ。俺、こんなことになったら困るんだけど!?

「ちょ、ちょっと。携帯……ってパスワードわかんないしっ!」

 案の定ロックがかかっている。指紋認証もないから、外せないよ! ロック画面の、同級生と思われる女の子との仲良しプリクラ写真が憎らしい。
 まあ待て……ひとまず、落ち着こう。

「……ここ、どこ? てか寒いし……」

 きょろきょろ、見回す。地名は……書いてない。ひとまず大きい通りに出るべきだろう。
 雪道を、なれない茶色のブーツが踏みつける。足が小さい。
 どうしてクリスマスにこんな目に遭わなきゃいけないんだろう、と思いながら息を吐くと、可愛らしくも、憂鬱そうにする少女の声がした。  
 これからどうしよう。
 ひとまず、いったん家に帰るべきだろうか。鍵はポストの裏に隠してるから、それでひとまず入れる。
 いや待て、そうするとこの子を家に連れ込むことになるのか。
 そもそも俺のもとの身体はどうなってるんだ?

「あ……」

 雪空の中、腕で両肩を抱きかかえながら、白い息をもうもうと吐き出していると、救いの光が目の前に訪れた。
 知らないショッピングモールだ。
 だけど、ありがたい。七時半なら、まだしばらくは営業しているに違いない。公衆電話とかあれば……悪いけど、ポケットに財布が入ってたな。使わせてもらおう。一度、家に電話をかけてみたいから。
 
 駐車場を通り抜け、自動ドアをくぐると、まるでそこが天国のように感じた。
 薄暗い世界が背後にいまも存在している。
 しかし、今たっている場所は、顔を暖かい暖房の風が撫でてくれる。刺すような冷気に晒されていたスカートの中がふんわり暖かい。それに、そこら中が明るい。

「はぁぁぁ……っ?」

 ぶるり、と、安心したとたんに身体が震えた。
 ぞくっと悪寒。それが何であるか、今まで一度たりとも感じたことのないそれを、直感が理解した。この身体が、トイレに行きたがっているのだと。

「と、トイレ……」

 幸いショッピングモールだ、トイレくらいあるに違いなかった。
 けれど、感覚がずいぶん男とは違う。堪えられているのだろうか。思わずスカートの上から股間を抑えて、びっくりした。
 何もない。
 いや、当たり前だ。この身体の持ち主についているはずがない。俺、今は三番のJKになってるんだった。

「は、はやく……も、もらすまえに」

 一度意識するとどんどんきつくなってくる。慣れない身体ではあるけれど、漏らしては恥をかいてしまう。
 いま、漏らして困るのはこの子じゃなくて俺なのだ。
 なんとか案内標識を頼りに、ふらふらと歩いていく。けっこう人がいて活気があるショッピングモールだが、股間を押さえて歩くJKは、傍から見たらどう思われていたのだろう。仕方ないだろう、この手はなしたらいまにも漏らしそうなんだよ。

「っ、トイレ……!」

 少し離れた洋服売り場のあたりに、赤青の丸と長い三角で示される標識を見つけて、身体中が喜びに打ち震える。
 そしてトイレの前まで立って、普通に入ろうとして、ぴたりと足を止めた。

 や……やべ、普通に男子トイレ入ろうとしたけど、どっちに行けばいいんだ?
 入りかけているせいで手洗い場が目の前に見える。中に人がいるかどうかまでは分からないが、こんな身体で見つかったらただじゃすまないだろう。

「…………」

 いまいちど、股間をぎゅうと抑えつける。
 あるべきものはない。柔らかく心地よい布の感触が、のっぺりとした股間を押さえている。
 おずおずと、申し訳なさを感じながらも胸に片手を当ててみる。
 ぱふ。柔らかい。女の子の胸の感触。

「……やっぱ、こっちか」

 ごくん。
 まるで犯罪を犯す前のように緊張している……いや、考えようによっては犯罪かもしれない。外面はJKでも、中身は男なのだから。
 でも、まあ、見られても男だということは分からないだろう。
 くるりと踵を返して、反対側によろよろと。一瞬、上の赤色のマークを見上げてごくりと唾を飲みつつ、中に踏み出した。


 女性用トイレは、綺麗に掃除が行き届いているように思えた。
 割と新しいショッピングモールだったのだろうか。壁も鏡も綺麗で傷も汚れもない。ただ、全体的にピンクがかっているのが男性用との決定的な違いであった。
 そして手洗い場を見ると、ちょうど手を洗い終えて、豹柄のカバンを持った50台の強面のおばさんがこっちをジロリと見て。

 ……ひぃっ!?
 やばい、やっぱ向こうのほうがよかった!! ……と、緊張が限界状態に達しかけたあたりで、立ちすくんだ俺の脇をすり抜けて外に出て行ってしまった。
 ほかに人はいない。へな、へなと、細い身体で壁によりかかる。

「……は、はぁ、緊張した」

 何も言われなかったところをみると、どうやら、やっぱり何も言われないみたいだ。
 はぁぁ、と深く息吐いてから、改めて前を見上げた。

 ……ほんとに個室しかないんだな、女性用トイレ。
 両側の壁に張り付くように存在する個室の全部の扉が開いている。股間を押さえつつ、やましさを感じながらできるだけ、一番奥のほうに入って、扉を閉じた。
 親切にも天井まで伸びた壁のおかげで、上から覗かれる心配もなかった。
 便座をあけて、座って、ほっと一息……いやいや!!

「こ、これ脱がなきゃいけないのか……」

 足は黒いタイツで覆われている。この感覚だと、スカートの内側に手を入れれば、うまく脱げそうだ。
 だけど、脱がしちゃっていいものだろうか。
 この子に怒られやしないだろうか。

「……うん! ごめん、三番ちゃん」

 名前も知らないので、この子は三番ちゃんと呼ぶことに決めた。
 無遠慮に手を突っ込んで、ずるりっとタイツを脱がす……やけにスースーすると思ったら、うわ! 勢いあまって、ついでに股間に張り付いていたパンティまで脱がしてしまった!

「……ごくりっ」

 恐る恐る、下を見る。スカートに覆われていて見えない。
 いや、見ちゃいけないぞ。見ちゃいけない。これは他人の身体なんだ。見ず知らずの子の身体だぞ。だめだだめだ!

「や、やべぇ……ほんとについてない。これが、JKの秘密のアソコ……」

 めくりあげて、じいっと見る。トイレをずっと我慢していたおかげで、蒸れたそこが外気に晒されるのが心地よかった。
 自然と、息が荒くなる。
 胸がどきどきする。
 ま、まさかクリスマスの女子の、しかもJKの何も履いてない股間を拝めるなんて思いもよらなかった! しかも……さっき、どさくさにまぎれてオッパイも揉んじゃったし。

「い、いかん。いかんぞ、とりあえず……あっ」

 股間の力を緩めると、同時にほかの何かがすぅっと緩んだ。
 まるで水道の蛇口を緩めたみたいに、奥にたまっていたものが、出始めた。その様子を俯いて観察する。
 お、おおおっ……おお、出てる。出てるよ、女の子のところから。
 どきどきしながら、平らな股間の部分から放出される黄色の液体を凝視した。ぞくぞくと、気持ちよさを感じながら。
 やがて、しばらくして放水は収まった。

「はぁ~……気持ちよかった」

 緊張が解けて、思わず洋式便座の背もたれに身体を預けた。
 すると、何の前触れもなく目の前がぷつんと真っ暗に染まった。同時に、身体から必要以上に力がすぅぅと抜けて、ふわりと宙に浮かぶ感覚が訪れる。
 何だ。
 声が、出ない。水を喉に入れられたみたいになったが、その苦しさは一秒もしないうちに消えて。

「なっ、何だ!?」

 慌てて声を出すと、喉から出たのは聞きなれた声だった。
 喉を押さえて、はぁ、はぁと息を吐き出す。ざらざらした感触。喉仏。そろり、と胸に手を伸ばすと、何の変哲もない胸板の感触がかえってくる。

「もしかして……も、戻った?」

 目の前には、いつものパソコンの画面がある。
 画面上には「メリー・クリスマス」と書かれた黄金の文字が、煌びやかに輝いていた。ちょうど赤いサンタクロースが空に飛んでいくところで、画面下におかれた既に開かれて空になったプレゼントの箱があった。

 そして、サンタクロースが去った後に「来年もよろしく」というリンクが貼り付けられている。
 そっと、クリックすると、どうやらこのページをお気に入り登録できるらし。

 ……ごくん。
 ということは、もしかして、来年も同じ思いができるってことか。

 迷わずお気に入り登録して、その後二十五日を迎えるまで三回は抜いてしまった。
 そして、落ち着いてからしばらくして、せっかくJKの身体になったのに、トイレ以上のことを何もしなかったことを激しく後悔するのであった。


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コメント

憑依までの表現と憑依直後のリアクションがすごくよかったです(^^)
四番バージョンも読みたいですし、
この憑依方法でまた読みたいですね(^^)
※そういえば、「聖夜の夜に」だと夜が重なって「頭痛が痛い」と同じ事になってしまうので、「聖なる夜に」の方が良いかと思います(^^;

>ecvtさん
感想ありがとうございます。いつも某所の作品で楽しませて頂いております!
タイトルをちょっと変更しました。また何かあれば書き込んでいただければ助かります。

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